地域医療に精神科訪問看護が必要な理由

精神疾患への訪問看護が必要とされる理由に、精神科疾患の患者さまが増えていることをお伝えしました。

実はこのほかに、もう一つ理由があります。それは、病院ではなく在宅や地域で生活される患者さまが増えたからです。

在宅や地域に精神科疾患を抱えた方が増えているから、訪問看護が必要となるのは当然のように聞こえますよね。

ただ、この背景には、精神科病床の削減というのもあります。

精神科訪問看護が必要な理由

厚生労働省は、2004年に精神科病床の削減を目指すと発表しました。その目標は、2015年までに約35万床のうち7万床を削減するというものでした。

精神科疾患の患者さまの入院日数や回復状況を判断した上で、急性期医療、社会復帰、重症患者さまへの対応などの機能を分化させるための対策です。

しかし、実際にはこの目標には到達していません。なぜなら、退院された患者さまの生活の場となる地域の支援基盤が整っていないからです。

こうした現実からも、早急に在宅医療や訪問看護の基盤を整えていく必要があります。しかし、現実的にはまだまだその基盤が整っていません。

精神科訪問看護の不足問題

こうした理由の一つとして、

「精神科訪問看護の経験がある職員がいない」

というものがあります。

もう少し詳しくお伝えしていきます。

厚生労働省の資料によると、精神科訪問看護を実施していない理由について、次のようなデータがあります。

  • 精神科訪問看護の経験がある職員がいないため   ・・・46.8%
  • 精神科訪問看護を担当できる職員がいないため   ・・・30.9%
  • スタッフが不足しているため           ・・・25.7%
  • 精神科訪問看護にスタッフが抵抗感を持っているため・・・8.6%
  • その他(もともと依頼がないなど)        ・・・46.4%

この結果をみてもわかる通り、精神科訪問看護を実施していない理由については、「人的な問題」ということです。

経験がない、担当できない、スタッフ不足・・・

これは、今後、訪問看護の基盤を盤石にするためには超えなくてはならない壁だと思います。

精神科疾患だけに限らず、訪問看護に抵抗を感じていたり、不安を感じている看護師さんは多いと思います。

つまり、在宅医療、訪問看護の太い軸を作るためには、看護師の認識から変えていくことが必要になります。

  • 訪問看護とはどんなことをしているのか?
  • 訪問看護はどんな方が利用しているのか?
  • 訪問看護は難しいんじゃないだろうか?
  • 訪問看護では自分のやりたい看護ができない
  • 訪問看護と介護の違いがわからない

こうした、訪問看護についての認識を変えることで、在宅医療、訪問看護の基盤が整う手助けになるのではないでしょうか。

そうした意味でも、これからも情報発信を続けていきたいと思います。