精神疾患と訪問看護の役割・歴史

訪問看護の対象は介護保険を利用している高齢者というイメージがありますが、年齢は関係なく、対象疾患も多岐に渡ります。パーキンソン病をはじめとする難病や、がんの方から、小児疾患まで様々です。

そんな中で、精神科疾患への支援も忘れてはなりません。例えば、統合失調症やうつ病、躁病、パニック障害、摂食障害などへの支援も行なっています。

精神疾患と訪問看護の役割・歴史

精神科疾患の訪問看護

学生時代に病院の精神科への実習を経験したことがある方も多いとは思いますが、訪問看護の場合、そのイメージからは少し違っているかもしれません。

精神科疾患を抱えながら、在宅、地域で生活されている方がいます。精神心疾患の患者さまは年々増加し、特にうつ病や認知症の増加が目立ちます。

「ストレス社会」と言われている通り、現代は精神的な負担も大きくなっています。こうした現実から、国も職場でのメンタルヘルス対策を呼びかけています。

精神科疾患の訪問看護の歴史

しかし、精神科訪問看護は新しいものではありません。その歴史をみてみると、1960年代(昭和35年ごろ)から始まっています。

この頃は、病院勤務の看護師が在宅に出向くような形でした。家庭訪問のようなイメージだと思います。

訪問看護ステーションにおける精神科訪問看護が本格的になったのは、1994年(平成6年)からです。

こうして見ると、精神科訪問看護の歴史は60年近くになります。そして、精神科疾患の増加とともに、自宅、在宅での支援が必要となっている方が増えています。

精神科疾患の訪問看護を提供している病院や訪問看護ステーション数の増加

精神科疾患の看護は馴染みのない方や経験のない方も多いと思います。精神科は独立した専門的なイメージがありますよね。

しかし、国政労働省の資料によると、平成27年時点での精神科病院の数だけでも医療施設は1,063施設にもなります。

(参考:厚生労働省)

全国の病院数に対して、およそ13%になります。地域の精神科クリニックを含めれば、その割合はさらに増えることになります。

これらの病院のうち、訪問看護を提供している施設は83.6%にもなります。ほとんどの精神科病院が訪問看護を行なっているということです。

愛知県においては、精神科の救急医療施設は合計で43施設にもなります。

さらに訪問看護ステーションにおいては59.4%の割合になります。およそ6割の訪問看護ステーションでは精神科疾患への支援も行なっているということになります。

このようなデータだけを見ても、精神科疾患に対する訪問看護の必要性がおわかりいただけるのではないでしょうか。