訪問看護師の仕事・業務の内容|病院看護と9の違いとは

訪問看護師に興味はあるけど、こんな疑問や不安はありませんか?

  • 訪問看護師はどのような仕事をしているんだろうか
  • 病院看護とは違うスキルや資格が必要なんだろうか
  • 病院看護の知識やスキルで通用するんだろうか
  • 新人、新卒でも大丈夫だろうか

こうしたことに当てはまる方は、ぜひ今回の記事をご覧ください。訪問看護師の詳しい仕事・業務内容についてお伝えしています。

特に、病院看護との違いについても、現場レベルの情報をお伝えしていますので、訪問看護師に関する疑問や不安はここで解消してしまいましょう。

1. 訪問看護師に必要な3つの仕事内容

訪問看護師に必要な仕事内容は、大きく分けると次の3つになります。

  1. 訪問看護業務
  2. 地域連携業務
  3. 書類業務

病院看護師との違いが気になる方も多いとおもますので、それぞれ詳しく確認していきましょう。

① 訪問看護業務

全国訪問看護事業協会によると、訪問看護が提供しているサービスには次のようなものがあります。

  • 療養上のお世話

身体の清拭、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの介助・指導

  • 医師の指示による医療処置

かかりつけ医の指示に基づく医療処置

  • 病状の観察

病気や障害の状態、血圧・体温・脈拍などのチェック

  • 医療機器の管理

在宅酸素、人工呼吸器などの管理

  • ターミナルケア

がん末期や終末期などでも、自宅で過ごせるよう適切なお手伝い

  • 床ずれ予防・処置

床ずれ防止の工夫や指導、床ずれの手当て

  • 在宅でのリハビリテーション

拘縮予防や機能の回復、嚥下機能訓練等

  • 認知症ケア

事故防止など、認知症介護の相談・工夫をアドバイス

  • ご家族等への介護支援・相談

介護方法の指導ほか、さまざまな相談対応

  • 介護予防

低栄養や運動機能低下を防ぐアドバイス

引用:全国訪問看護事業協会

こうしてみるとわかる通り、訪問看護だから特別な看護業務があるというわけではありません。特に最近は、高度な医療処置が必要となる方が増えているため、入院中に行われていた処置をそのまま引き続き行うこともよくあります。

このような訪問看護利用者の特徴や、より詳しい看護業務内容については以下も確認していただくと理解が深まるでしょう。

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② 地域連携業務

実際の看護業務以外にも、地域との連携業務があります。もちろん病院の看護師にもサマリーなどを書いたり、退院前カンファレンスなどがありますが、訪問看護の場合には、より重要な業務になります。なぜなら、訪問看護を含む地域医療には、他職種連携、チーム医療がカギとなるからです。

また、訪問看護ステーションには、看護師やリハビリスタッフしかいません。その他の職種、例えば医師、薬剤師、ケアマネージャー、介護士(ヘルパー)などは別の事業所などに勤務しているのです。

病院の場合には、多くの職種が集まっているので連絡も取りやすいかもしれません。しかし、訪問看護にはこうした特徴があるため、地域連携に関する業務が一層重要となるのです。

例えば、次のようなものがあります。

  • 担当者会議
  • 利用前訪問、利用前カンファレンス
  • 他職種への報告、連絡、相談(訪問看護計画書や月次報告書など含む)
  • 地域のイベントへの参加

何かイベントがある時だけではなく、日頃から電話やメール、FAXなどを活用して地域連携を図っています。

③ 書類業務

最近は、どこの病院も電子カルテが普及しているため、書類業務も効率的になっていると思います。一方で、訪問看護の場合には、どうなっているのか気になる方も多いのではないでしょうか。

今まで慣れているパソコン入力でないと面倒だと感じている方や、逆に紙カルテのほうが安心という方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、これは各訪問看護ステーションによって異なります。例えば、ご利用者さまのご自宅への訪問時にタブレットを持参して入力作業を効率的にしているところもありますし、紙カルテが中心となるところもあります。

これから訪問看護ステーションへの転職・就職を考えている方の場合には、こうした部分も事前にチェックしておくといいでしょう。

2. 訪問看護師の1日の仕事スケジュール

それでは、訪問看護師の1日に行う仕事・業務内容についても確認して見ましょう。

2-1. ベテラン訪問看護師の業務内容

まずはベテラン訪問看護師の場合です。ベテランというと語弊があるかもしれませんが、新人研修等が終了し、独り立ちしている訪問看護師と認識してください。

まず、多くの訪問看護ステーションでは、朝のミーティングがあります。その日のスケジュールやご利用者の情報交換を行います。

その後、実際の訪問業務に入りますが、1日に訪問する件数は4〜6件ほどになることが多いでしょう。

担当者会議などが入る場合には、訪問件数が少なくなる日もあります。そうした場合には、別の看護師が代わりに訪問したり、スケジュール調整を行うため、残業ばかりが増えることはありません。

訪問が終わって事務所へ帰宅したら書類業務を行います。タブレットなどを活用しているところは、訪問の合間に書類業務を並行していることもあります。

おおまかにはこうしたスケジュールになります。病院とは違って、一人一人の1日のスケジュールが事前に組まれているため、業務終了時間も概ね決まっていると言えます。

2-2. 新人、新卒訪問看護師の業務内容

次に、新人や新卒の訪問看護師の場合です。ベテランとの違いは、同行訪問や研修、フィードバックがあることです。いきなり一人で訪問業務が始まることはありません。特に、新人や新卒採用に力を入れているところは、教育環境や制度が整っています。

新人や新卒では訪問看護師になれないとも言われることがありますが、その言葉に諦めてしまう必要はありません。詳しくは以下の記事をチェックしてみましょう。

新卒・新人でも訪問看護師になれる方法|無理だというのは時代遅れ?!

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3. 病院と訪問看護師の仕事・業務内容の9つの違い

ここまでは、訪問看護師の仕事や業務内容について、おおまかなものをお伝えしてきましたが、より詳細に知りたいという方も多くいらしゃいます。

訪問看護師になりたいと考えている方は、すでに病院に勤務されている方がほとんどです。また、最近では新卒の方を採用する訪問看護ステーションも増えました。

でも、そのほとんどの方は、病院での勤務や臨床実習の経験はあるけど、訪問看護でも通用するのか、何か特別な資格やスキルが必要になるんじゃないかと不安に感じていらっしゃると思います。

しかし、その心配は必要ありません。以下にご紹介するような病院と訪問看護師の違いを確認していただければ、資格やスキルは関係ないということがわかると思います。

① ご利用者さまのお宅が仕事場

病院と訪問看護師の一番の違いは仕事場にあります。訪問看護の場合には、ご利用者さまが実際に暮らしているお宅が仕事場です。1件1件訪問しながら看護サービスを提供しています。

そして、基本的には看護師一人で訪問します。そのため、一人で正確な判断ができるのか、万が一急変が起きたらどうしようといった不安が生じると思います。でも安心していただきたいのは、すべての責任を看護師一人が背負う必要はないことです。

確かに、訪問するのは看護師一人ですが、訪問看護はチームで行動します。具体的には、次のようなことがあります。

  • 万が一対応がわからなければチームの看護師に電話連絡を取って相談や指示を確認することができる。
  • ご利用者様についてわからないことがあれば、担当のケアマネージャーさんに確認することができる。
  • 薬のことがわからなければ、担当の薬剤師さんに確認が取れる。
  • 急変や症状の増悪などがあれば、主治医に報告し指示を仰ぐことができる。
  • 新人には先輩の訪問看護師が同行する

このように、訪問看護は同僚はもちろん、その他の職種やサービス提供者と連携を取っています。「一人で訪問する」ことは「一人で全てのことをやる」ことではないので安心してください。

② ご利用者さまと1対1のお付き合い

近年、病院への在日日数は激減しています。厚生労働省の資料によると、平均在院日数は28.5日となっています。(参考:厚生労働省「平成28年医療施設(動態)調査・病院報告

また、急性期病院であれば2〜3週間というところも珍しくないでしょう。このように、病院の看護では一人の患者さまに対して長期的に関わることができません。転院、退院されても、その後どのように過ごされているかを知らないことがほとんどでしょう。

一方で訪問看護の場合には、ご利用者さまに対して長期的かつ1対1の密な看護を提供することが可能です。病院看護のように、ある病室で処置をしていても、隣の病室からナースコールがあれば駆けつけなくてはなりません。しかし、訪問看護の場合には、あらかじめ予定されている時間、例えば1時間の間は、そのご利用者さま一人だけに向き合うことができます。

③ ご利用者さまの生活、人生を支える

病院の看護は「治療」が中心です。先ほどもお伝えしたように、急性期病院は治療が終われば転院、もしくは退院しなくてはなりません。提供した看護が、その患者さまにとってどれくらい役に立ったのか、力になれたのか確認することができないのです。

一方で、訪問看護の場合には治療的な側面ももちろんありますが、それ以上にご利用者様の生活、もっと言えば人生を支えているため、長期的なお付き合いになることが大半です。つまり、実際に提供した看護の結果を最後まで見届けることができるのです。ここに訪問看護のやりがいを感じている看護師も多くいます。

④ 看護師の訪問を心待ちにされている

病院に入院している患者さまは、病室に看護師がくるとどのように思っているでしょうか。

  • また薬をのまなくちゃいけない
  • また痛い処置をされる
  • また苦痛な検査につれていかれる

心の中ではこのように思っている患者さまも多いのではないでしょうか。

一方で、訪問看護の場合には、ご利用者さまが看護師の訪問を心待ちにしていることも珍しくありません。なぜなら、病気を抱えながら在宅生活を送ることは、不安だらけだからです。

  • 病気が悪化していないか
  • 最近調子が悪い気がするけど大丈夫か
  • 寝たきりになったらどうしよう

これだけではありませんが、私たちが想像する以上に不安を感じています。そこに専門家である看護師が訪問すれば、ご利用者さまは安心できるのです。そのため、心待ちに訪問を待ってくださっているのです。

⑤ 小児から高齢者、疾患も様々

病院看護の場合には、配属された科の患者さまの看護が中心となります。例えば、脳外科に配属されたら小児科のお子さんの看護はほとんどできません。もし小児看護をしたければ、小児科への異動を希望するか、転職しなくてはならないのです。

一方で訪問看護の場合には、ご利用者さまの疾患は多岐に渡りますし、年齢も小児から高齢者まで対応します。そのため、看護師自身のスキルアップにもなりますし、これまでの経験を生かすこともできます。

⑥ 1日のスケジュールが把握できる

病院看護の場合には、1日のスケジュールがあったとしても、その通りになることはほとんどないでしょう。

突然の検査や入院、緊急手術に急変等、イレギュラーなイベントが当たり前にあります。そのため、終了時刻を過ぎても業務が残ってしまうことも日常的だと思います。また、夜勤があれば、プライベートな予定も立てにくくなってしまいます。

一方で、訪問看護の場合には、1日のスケジュールが決まっているので安心です。先を予測して行動することもできますので、業務時間内に終了することもできます。

また、勤務シフトに関しても安心です。基本的には固定シフトになるところが多いため、プライベートの予定も立てやすいからです。

⑦ 他職種連携、チームワーク

病院でもチーム医療が当たり前になっています。しかし、実際の業務を振り返ってみるとどうでしょうか。毎日の業務に終われて、自分の持ち場をこなすことで精一杯ということも珍しくはないと思います。そんな時間も余裕もない状態で、他職種連携といわれても難しいでしょう。

一方で、訪問看護の場合には、先にご紹介したように1日のスケジュールの中に、担当者会議やミーティングなどが組み込まれているため、必然的に他職種との連携を取ることができます。

これは、ご利用者さまに満足なサービスを提供する上でも重要なことですが、看護師自身の成長にも繋がります。他職種からの情報や視点は、新たな気づきやスキルアップにも繋がるのです。

⑧ 夜勤がない、仕事と育児の両立

また、大きな違いの一つとして、訪問看護には夜勤がありません。

結婚、出産、育児などを契機に転職を考える病院看護師が多いのですが、それには夜勤も関係しています。やはり、仕事とプライベートを両立することが難しいため、夜勤のない職場として訪問看護を選ぶ方も少なくありません。

また、パートでの採用をしている訪問看護ステーションも多いため、育児休暇明けの職場として選ばれることもよくあります。

⑨ 24時間365日、オンコール対応

訪問看護には夜勤がありませんが、オンコール対応があります。これは、業務時間外に電話連絡があった場合に訪問対応するものです。

オンコール対応は、すべての訪問看護ステーションが行なっているわけではありませんが、24時間365日の対応をしているところがあります。転職、就職を考えている場合には、必ずチェックするようにしましょう。

4. 「訪問看護師の仕事・業務内容」まとめ

訪問看護師には、何か特別なスキルや資格が必要なんじゃないかと不安に感じている方が多くいらしゃいます。

しかし、今回お伝えしてきたように、ひとつひとつの仕事・業務内容については病院看護と大きな違いはありません。つまり、これまでの経験を生かすことができるということです。

逆に、一人一人の患者さま(ご利用者さま)にもっと向き合いたい、長く関わりたい、自分の考える看護を提供したいという場合には、今まで以上にやりがいを感じることもできるでしょう。

もちろん、新人や新卒の方でも訪問看護師になることはできます。病院勤務を経験してからでないとダメだということはありません。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、今まで以上に訪問看護師に興味・関心を持っていただければ嬉しく思います。