訪問看護の認定看護師になるには?資格取得方法とメリットまとめ

 

訪問看護の認定看護師になるには、

  • 訪問看護の認定看護師になるには、通算5年以上の実務経験と
  • 訪問看護師として3年以上の実務経験が必要
  • 認定看護師の需要は増加している

訪問看護師としてもっとスキルアップしたい、これからも第一線で活躍して行きたい、将来も安定した仕事を確保したいという方は、認定看護師の資格を取得しておきましょう。

訪問看護師の需要は年々高まっています。その一方で、医療依存度の高いご利用者様も増えているため、より高度な知識や技術が求められるようになりました。

実際に2012年の診療報酬改定からは、専門性の高い看護師が同行することに診療報酬が加算されることになっています。

訪問看護師数の増加とともに、「質」を求められる時代になってきたとも言えるでしょう。今後も訪問看護師として活躍していくためには、認定看護師の資格取得を目指してはいかがでしょうか。

その具体的な方法についてご紹介して行きます。

1. 訪問看護の認定看護師とは?

認定看護師とはCN(Certified Nurse)と略して表現されることがあり、日本看護協会の資格認定制度のことです。

その目的は、

認定看護師制度は、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的としています。
引用:日本看護協会

このようにされています。つまり、

  • 質の高い看護の実践
  • 他の看護師に対する指導

この2つを通して、日本の看護レベルの底上げを担う役割を持っています。2017年現在では、21の分野で認定看護制度があり、その中の一つが訪問看護です。

訪問看護師として働くために認定看護資格の取得は必須ではありません。しかし、地域医療や訪問看護に対する需要の増加、そして質の高い訪問看護の提供が求められている現状を考えると、認定看護師の資格を持っていることによって活躍の場が広がり、スキルアップや昇進、昇給の手助けにもなると言えるでしょう。

1-1. 訪問看護の認定看護師数の推移

訪問看護に認定看護師数は、2017年時点で584名です。2006年には17名だったことを考えると、その増加率は高いものとなり、訪問看護が必要とされていることがここからもわかります。

ちなみに、都道府県別に訪問看護の認定看護師が多いところは、

1位:東京114人
2位:愛知63人
3位:兵庫51人
4位:神奈川42人
5位:大阪37人

このようになっています。ほとんどの都道府県では、10人以下のところが多いので、これからますます必要とされるようになるかもしれません。

2. 訪問看護の認定看護師資格の取得方法

認定看護師の資格を取得するまでの流れは、次の3ステップになります。

  1. 受験資格の獲得
  2. 認定審査(筆記試験)
  3. 5年ごとの更新審査

それぞれ詳しく確認して行きましょう。

① 受験資格の取得

認定看護師の資格を取得するためには、

  • 看護師として通算5年以上の実務研修
  • 訪問看護師として通算3年以上の実務研修
  • 認定看護師教育課程を修了

この3つの条件を満たす必要があります。

※准看護師の資格では認定看護師を取得することはできません。

・訪問看護の実務研修内容の基準

訪問看護師としての実務研修には、次のような基準があります。

  1. 通算3年以上、在宅ケア領域での看護実績を有すること。
  2. 医療処置及び管理を要する患者の在宅における看護(退院支援を含む)を5例以上担当した実績を有すること。
  3. 現在、在宅ケアに携わっていることが望ましい。
    引用:日本看護協会

訪問看護ステーションなどに3年以上勤務していれば、この基準を満たしているでしょう。

・認定看護師教育課程とは

認定看護師の資格受験をするためには、認定看護師教育課程の終了が必須です。

日本看護協会が定めている教育機関で6ヶ月間、615時間以上のカリキュラムを受講することになります。半年間、指定の教育期間に入学すると考えていただければいいでしょう。

授業は平日の昼間に行われているため、働きながら受講することは難しくなります。また、教育機関が地元にない場合もありますので、受講期間中はアパートを借りるなどして通学することが多くなります。

そのため、在職中の方は職場の協力が必要になります。認定看護師の資格取得支援をしている職場もありますので、まずは職場に確認をとるようにしましょう。

2017年現在の訪問看護の教育機関と定員数は以下の通りです。

地域 教育機関名 定員
東京都 聖路加国際大学 教育センター 30名
愛知県 愛知県看護協会 認定看護師教育課程 20名

 

② 認定審査(筆記試験)

受験資格を取得すると、認定審査を受けることができるようになります。

・スケジュール

申請、受験、合格発表までのスケジュールは2月に発表される「認定看護師(CN)認定の手引き」で詳しく確認することができます。

参考として2017年のスケジュールをご紹介します。

引用:第25回認定看護師(CN)認定審査『認定の手引き』

・認定審査(筆記試験)の内容と合格基準

審査方法は筆記試験(マークシート式、四肢択一)で合計40問、150点満点で採点されます。試験時間は100分です。

点数はA〜Cの3段階に評価され、C(105点未満)は不合格となります。

120点以上 A 合格
105〜120点未満 B
105点未満 C 不合格

・申請方法(受験方法)

認定審査を受けるためには、事前の申請が必要になります。申請方法は全て日本看護協会のホームページにある「資格認定制度 審査・申請システム」から行います。

申請のためには、以下の3つの書類が必要になります。

  • 看護師免許証
  • 認定看護師教育機関の修了証
  • 履歴書

免許証と修了証は画像のアップロードが必要になりますので、スマートフォンやデジカメで撮影しておきましょう。

履歴書に関しては、「資格認定制度 審査・申請システム」にて作成して提出します。

詳しい申請方法については、2月ごろに「認定看護師(CN)認定の手引き」が日本看護協会のホームページで公開されますので、こちらを確認していただければ詳細がわかります。

・審査料:50,760円(税込)

申請後に審査料として50,769円を指定された講座に振り込みます。

振り込み先に関しては、申請者ごとに異なりますので注意しましょう。申請時に登録したメールアドレスに送信、もしくは「資格認定制度 審査・申請システム」から確認することができます。

・試験会場

第25回認定審査(2017年)は、以下の5つの会場で実施されました。

  • 宮城会場:TKPガーデンシティ仙台
  • 東京会場:ベルサール新宿グランド
  • 愛知会場:TKP名古屋駅前カンファレンスセンター
  • 大阪会場:梅田スカイビル
  • 福岡会場:エルガーラホール

詳しくは、日本看護協会のホームページや「認定の手引き」を確認しましょう。

・合否確認と認定料(50,760円)の振込

審査結果の合否確認も「資格認定制度 審査・申請システム」で可能です。

合格者は、認定料を期日までに指定の口座に振込む必要があります。認定料は50,760円になります。

審査料と認定料は別のものになりますので、合格者は合計で101,520円が必要になります。

③ 5年ごとの更新審査

認定看護師になると5年ごとの更新審査を受けることになります。

審査方法は「実践報告書」の提出による書類審査になります。詳しい審査条件は次の表を参考にしてください。

1 回目(5 年目)更新申請 ① 2,000 時間以上の看護実践時間

② 50 点以上の自己研鑽実績

③ 「実践」(1 種類)の実践報告書

※ただし、分野によって指定がある場合

はそれに従う。

2 回目(10 年目)以降更新申請 ① 2,000 時間以上の看護実践時間

② 50 点以上の自己研鑽実績

 

・更新審査費用

更新審査に必要な費用は、次の2つになります。

  • 審査料:30,240円
  • 認定料:20,520円(合格者の場合)

3. 訪問看護の認定看護資格を取得するメリット

はじめにもお伝えしましたが、認定看護師は、

  • 質の高い看護の実践
  • 他の看護師に対する指導

この2つを通して、日本の看護レベルの底上げを担うことになります。

ただし、ここまでご紹介してきたように、

  • 半年間の受講が必要(平日の日中)
  • そのため働きながらの受講は難しい
  • 職場の協力、支援が必要
  • 受験料(審査料)50,760円と認定料50,760円の合計101,520円が必要
  • 5年ごとに更新審査が必要

このように、簡単に認定を受けることはできません。それだけ高い「質」が求められているとも言えるでしょう。

しかし、そこまで大変な認定資格をとるメリットはあるのかと疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、個人レベルで得られる認定資格のメリットについてご紹介したいと思います。認定資格を受けるモチベーションや目標にしていただけるのではないでしょうか。

3-1. 必要とされる看護師になれる

特に訪問看護においては、2012年の診療報酬の改定により、いっそう専門性の高い看護師が評価されるようになりました。

具体的には、「在宅患者訪問看護・指導料 3」「訪問看護基本療養費(Ⅰ)のハ及び(Ⅱ)のハ」が新設されたのです。

これにより、訪問看護ステーション内のスタッフだけでは対応が難しい場合に、別の訪問看護ステーションや病院に勤務している専門性の高い看護師、つまり認定看護師などが同行することに対して診療報酬が算定できるようになったのです。

その背景には、医療依存度の高い利用者の増加があります。今後の訪問看護においても、ますます高度な技術と知識が求められると考えられるため、訪問看護の認定看護師の需要は高まっていくと言えるでしょう。

つまり、勤務している職場だけではなく、地域から必要とされる看護師になれるということです。

3-2. 今後の訪問看護を支える立場になる

認定看護師の役割には高度な看護の提供の他に、他の看護師への指導的な役割もあります。

「アクションプラン2025」では、2025年までに約15万人の訪問看護師が必要としていますが、現実には程遠い数字となっています。

現在、様々な手段で看護師の確保を図っていますが、どの業界や職種においても頭数が増えると、その次に「質」が問われるようになります。

ここで、しっかりと結果や効果を示すことができないと、診療報酬の低下などに繋がり、停滞もしくは衰退してしまうと考えられます。

今後は訪問看護の質が求められる時代になっていきます。そうした時にも認定看護師が将来を支える中心的な立場になることは言うまでもないでしょう。

3-3. キャリアアップや昇進・昇給

認定看護師には上記のような役割があることを考えれば、ご自身のキャリアアップに繋がることはよくわかると思います。

その結果、昇進や昇給にもつながり、将来的にも看護師として安定した職に就くこともできるようになります。

もちろん、この辺りは職場ごとに違いがあると思いますが、転職する上でも認定看護師の資格を保有していることは有利になるでしょう。

4. 「訪問看護の認定看護師」まとめ

ここまで訪問看護の認定看護師について詳しくご紹介しましたが、受験方法や費用、メリットがお分りいただけたのではないでしょうか。

分りやすくまとめると、

  • 訪問看護師として通算3年以上の実務研修(看護師としては通算5年の実務経験
  • 指定の教育機関に6ヶ月間通学する
  • 受験料(審査料)50,760円、認定料50,760円が必要
  • スキルアップ、昇給、昇進にも影響する

ぜひこれからの訪問看護や地域医療を支えるための認定看護師を目指してみましょう。