「独居老人世帯が15.3%」
こんなデータが厚生労働省から出ています。2035年には全世帯のうち、なんと15.3%が一人暮らしの高齢者になるのです。一つの地域に一体どれだけの独居老人がいることになるのでしょうか。
そして、一人で暮らす高齢者が増えるということは、ますます訪問看護や在宅医療が必要な時代が目の前に迫っています。
この記事でわかること
訪問看護と独居老人
実際に、独居の方への訪問看護依頼は数多くありり、訪問頻度は増えてきます。例えば、1週間に訪問する頻度だけではなく、1日に複数回訪問するケースもあります。
やはり独居生活を送るためには、頻回なサービスの利用が必要になるケースが多くなります。
独居老人が在宅生活継続のために必要となる機能
そこで、独居老人が在宅生活を継続するために必要な機能をまとめた報告がありますのでご紹介します。
- 生活の満足確保機能
- 余暇活動機能
- 療養環境の維持機能
- 生活用品の調達機能
- 清潔保持機能
- ADL維持機能
- 食事摂取機能
- 精神活性化機能
- 健康管理機能
「訪問看護を利用している高齢独居療養者の生活継続に必要な機能の分析」(蒔田 寛子ら.バイオフィリア リハビリテーション研究(7))
独居老人と訪問看護師の役割
上記の項目の中で、訪問看護師が特に重要となっているものが
- 健康管理機能
- ADL維持機能
この2つとなっています。特に、近年は医療依存度の高い利用者が増加していることもあり、在宅生活を送るためのベースとなる部分を訪問看護師が支援していることがわかります。
増加する独居老人と不足する訪問看護師
独居老人が増加すれば、訪問看護の必要性も高まります。すると、当然ですが訪問看護師の数も必要になってきます。
訪問看護師不足
しかし、2025年までに3万人〜13万人もの看護師が不足すると言われます。これは看護師の総数ですので、訪問看護の看護師不足はもっと深刻です。現在、訪問看護で働く看護師の割合はおよそ2%だからです。
- 看護師の総数が足りなくなる
- 訪問看護で活躍する看護師は2%
つまり、独居老人が増えても、それを受け入れる体制が整っていないのが現実なのです。
47万人が訪問看護を受けることができない
高齢者の訪問看護には「看取り」の役割もあります。特に独居老人であれば、その重要性は高くなります。
しかし、現在のサービス提供状況のままであれば、2030年には約47万人がサービスを受けることができないと言われています。こうした背景もあり、「看取り難民」という言葉まで作られているほど深刻な問題となっています。
独居老人を支える訪問看護師の役割とは?
今後、独居老人が増加すること、そして訪問看護師の必要性が高まるのに不足していることを確認していただけたと思います。
それでは、訪問看護師とは具体的にどのような仕事、役割を担っているのでしょうか。その詳細については「訪問看護ステーションとは?特徴と役割を総まとめ!」こちらで紹介していますので、ぜひご確認ください。