ひと目でわかる!訪問看護に多い疾患&具体的な看護内容

訪問看護師として働いてみたいけど、どんな疾患が多いのかはとても気になる部分だと思います。

すでに看護師として経験がある方なら、今までの知識や技術で大丈夫なのかと不安に感じることもあるでしょう。経験したことがない疾患に対応する自信がなくて怖いのかもしれません。

また、訪問看護は病院とは違い、診療科が分かれていないため様々な疾患に対応することになります。そのため、新人、新卒の方はいきなり訪問看護に飛び込んでも大丈夫なのかと悩んでいることでしょう。

そこで今回は、こうした不安や悩みを解消するために、訪問看護に多い疾患をひと目でわかるようにまとめました。さらに、具体的な看護内容についてもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

1. よくわかる!訪問看護に多い疾患

上の表は訪問看護に多い疾患をまとめたグラフになります。

訪問看護は病院のように診療科が別れていませんので、様々な疾患の方が対象となっていますが、こちらをご覧いただければ一目でその特徴がわかるでしょう。

1-1. 循環器疾患

最も多いのが循環器疾患となり、およそ30%を占めています。具体的には次のような疾患になります。

・高血圧系疾患

訪問看護のご利用者さまは年齢も幅広く、赤ちゃんや小児から90歳以上の高齢者まで様々です。近年は医療依存度の高い若年者の利用も増えていますが、その中でも70歳以上の高齢者の割合が73%以上と多くなっています。

60歳以上の高齢者の半数が高血圧の治療を受けていると言われることもありますので、高齢者の利用が多い訪問看護では高血圧患者さんが多くなっています。

・心疾患

高血圧によってリスクの高まる心疾患も訪問看護のご利用者様には多い疾患になります。

狭心症や弁膜症、心筋梗塞など様々ですが、慢性的に罹患されている方だけではなく、手術を受けて退院直後の方もいらっしゃいます。

・脳血管疾患

訪問看護の役割の一つとしてリハビリテーションがあります。看護師が行うだけではなく、リハビリ職による専門的なリハビリテーションの需要も高まっています。

高血圧によりリスクの高まる脳血管疾患は、こうしたリハビリに対する需要が多い疾患でもあります。

1-2. 神経系疾患

2番目に多い疾患が神経系疾患となり、17%を占めています。具体的には次のような疾患があります。

・パーキンソン病

パーキンソン病の発症は50歳から65歳に多いと言われ、訪問看護の利用者の年齢分布が高くなる疾患の一つでもあります。

・アルツハイマー病

アルツハイマー病をはじめとする認知症のケアも訪問看護の重要な役割になります。ご利用者さまご本人のみならず、ご家族様や周辺地域の方のケアも行います。

1-3. 精神・行動障害

3番目に多い疾患が精神・行動障害となり、およそ14%を占めています。具体的には次のような疾患があります。

・認知症

認知症患者さまに対する訪問看護の役割は非常に重要になってきます。やはり、病院や入院している時にはわからないようなことが実際の生活場面では起こるからです。そのため、地域での支援が必要になります。その一役を担うのが訪問看護師です。

・統合失調症

訪問看護ステーションの中には、精神科疾患を専門としているところもあるほど需要が高まっています。

また、認知症や統合失調症以外にもうつ病を患っている方なども多くなっています。

1-4. 筋骨格系疾患

4番目は筋骨格系疾患となり、およそ10%を占めています。具体的な疾患は次のようなものがあります。

・骨粗鬆症

高齢者に多い骨粗鬆症を始め、これに起因する大腿骨頸部骨折圧迫骨折のご利用者さまも多くなっています。近年は在院日周が減少していますので、手術から自宅退院までの期間も短く、ますます訪問看護が必要とされるようになっています。

1-5. 悪性新生物

5番目が悪性新生物、つまりガンとなり、およそ9%を占めています。

訪問看護でも緩和ケアが行われていたり、訪問看護の特徴でもある「看取り」も重要な役割の一つになっています。

2. 訪問看護における看護業務の内容

訪問看護に多い疾患はお伝えした通りですが、その病態や症状は様々です。先にも少し触れましたが、近年は医療依存度の高いご利用者さまも増えており、重度の方から軽度の方までいらっしゃいます。

また、訪問看護は長期的な在宅支援になりますので、病態の憎悪や症状が悪化することもあります。

つまり、疾患だけでは実際にどのような看護を行なっているのかまでは見えてきませんので、訪問看護に対する不安はぬぐいきれないと思います。

そこで、実際に行われている看護内容についても確認していただくといいでしょう。

上のグラフを見ていただくとわかる通り、最も多いのが症状観察となり、次いで療養指導、リハビリテーション、家族指導・支援、清潔保持、排泄援助などとなっています。

リハビリテーションや家族指導、支援が上位になっていることは訪問看護の特徴だと言えますが、その他の看護内容は病院看護と変わりがないこともわかるのではないでしょうか。

たとえ今までに経験したことがない疾患だとしても、これまでの知識と技術は通用するでしょう。また、ほとんどの訪問看護ステーションでは、同行訪問などを行なっているため、いきなり一人で訪問することもありませんので安心してください。

3. 訪問看護の医療処置内容

先ほどから何度もお伝えしていますが、近年の訪問看護のご利用者さまは医療依存度の高い方が増えています。

その具体的な内容については上のグラフの通りです。服薬や点滴管理が多いのは当然かもしれませんが、膀胱カテーテルの交換、人工呼吸器の管理、中心静脈栄養、在宅透析など、訪問看護で行える医療処置レベルが高くなっています。

また、こうした処置が必要な方が在宅で多く暮らしているとも言い換えることができ、訪問看護の需要が高まっている理由の一つになっています。

訪問看護の利用者さまの詳細な特徴に関しては、下記の記事もぜひ参考にしていただけるといいでしょう。

よくわかる訪問看護!利用者の7つの特徴を図解で紹介

2017.11.02

4. 訪問看護に多い疾患のまとめ

訪問看護は病院と違って診療科ごとに別れていることはありません。そのため様々な疾患に対応することになり、この点を不安に感じていいらっしゃると思います。

まず、訪問看護に多い疾患の上位3つは、

  1.  循環器系疾患
  2.  神経系疾患
  3.  精神・行動障害

このようになっています。

すでに看護師として勤務されている方は、今までに経験したことがない疾患もあると思います。また、新人、新卒の方はいきなり様々な疾患に対応できるのか非常に不安を感じることでしょう。

でも、安心していただきたいのは、特別な看護技術がないと訪問看護師になれないということはありません。今回お伝えしたように、業務内容については病院看護とほとんど同じだとわかります。

逆に、こうした訪問看護に多い疾患を理解しておけば、事前に学んだり研修に出かけることもできるでしょう。そして、安心して訪問看護師としての1歩を踏み出していただければと思います。

特に新人、新卒の方には下記の記事もおすすめですので、ぜひ一緒にチェックしてみてください。

新卒・新人でも訪問看護師になれる方法|無理だというのは時代遅れ?!

2017.10.31