訪問看護のアセスメントならコレ!今すぐ使えるシートやツールを紹介

看護師としてアセスメント能力は必須のスキルです。特に訪問看護の場合にはご利用者さまのお宅に一人で訪問するため、その高いスキルが問われます。

また、今後の訪問看護ステーション存続にも大きく影響するため、常にアセスメント能力を向上させる必要があります。

例えば、平成27年度の老人保健健康増進等事業の一つとして、「訪問看護ステーションにおける事業所自己評価のガイドライン」が作成されました。訪問看護の需要が高まり年々訪問看護ステーションが増加していますが、それに伴い訪問看護の「質」が問われるようになったということです。

質の高い訪問看護を提供するためには、やはりアセスメントが重要になります。看護計画を立案するためにも欠かすことはできません。

しかし、このアセスメントが苦手だという方が多くいらっしゃいます。訪問看護師になったばかりの方であればなおさらでしょう。

また、これから訪問看護で働こうとしている方も、病院で行なっているアセスメントで通用するのか、何か他に特別なスキルがいるのかと気になっている方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、訪問看護のアセスメントに役立つアセスメントシートやツールをご紹介します。

最近では訪問看護ステーション独自のアセスメントツールを開発して、業務を安心して円滑に進められるようにしているところもあります。

ぜひあなた個人やステーション全体のアセスメント能力向上のためにも役立ててください。

1. 訪問看護のアセスメントとは

訪問看護のアセスメントとはどのようなものなのでしょうか?訪問看護ステーションにおける事業所自己評価のガイドラインによると、次のように言われています。

  • 利用者等の状況に応じた専門的なサービスの提供
  • 利用者等のアセスメントに基づく看護計画の作成と見直し

引用:訪問看護ステーションにおける事業所自己評価のガイドライン

つまり、専門的で質の高い訪問看護を提供するためにアセスメントを行う必要があるということです。

さらに、定期的なアセスメントによって看護計画の見直しも重要とされています。これは訪問看護に限らず、病院でもクリニックでも看護師にとっての必須スキルです。

しかし、訪問看護の場合には病院やクリニックと比べて、一人一人のご利用者さま(患者さま)の私生活や人生を支援する役割があります。そして、その支援も長期間に渡ります。退院したら終わりとか、クリニックに来ている時だけではないのです。

そのため高いアセスメント能力が求められるとも言えます。だからこそ苦手に感じていたり、不安になっているのではないでしょうか。

2. 訪問看護のアセスメントのポイント

訪問看護のアセスメントの不安を解消するために、まずはアセスメントのポイントを整理しておきましょう。

アセスメントをする際に注目するポイントがわかっていれば、どんなアセスメントをしたらいいのかわからないという問題も解消できると思います。次のアセスメントポイントを中心に個別の評価に発展させていきましょう。

  1. 身体の状況(病名、症状、薬剤、栄養、口腔など)
  2. 精神的な状態(意向、不安、うつ状態など)
  3. 認知機能
  4. 生活の状態(ADL、IADL、排泄、食事など)
  5. 利用者を取り巻く社会的・環境的要因(社会活動、家族の状況、経済状況ど)

引用:訪問看護ステーションにおける事業所自己評価のガイドライン

3. 訪問看護に役立つアセスメントシート(用紙)

先ほどご紹介したアセスメントのポイントがわかっていれば、どこに注目すればいいのかわかりやすくなります。ただ、この5つのポイントについて常に冷静なアセスメントができなくてはなりません。

特に訪問看護においては、包括的なアセスメントが重要になります。フィジカルアセスメントだけでは、毎日の日常生活や社会参加を支援することはできません。ご家族さまとの関係を抜きにして、長期的に安心した在宅生活を過ごすことも難しいでしょう。

そこで、包括的なアセスメントが重要になるのですが、ハードルが高くなってしまいますよね。

そんな時には、アセスメントシートを用意してみるといいでしょう。シートに沿ってアセスメントを行うことができれば安心ですし、確実なアセスメントになるでしょう。

3-1. 訪問看護の必要性アセスメントシート

訪問看護導入の必要性を判断する際には、訪問看護の必要性アセスメントシートが役立ちます。

サービス開始前の担当者会議に持参して、ご利用者さまやご家族様への説明に役立てることもできます。

また、ケアマネージャーにこちらのシートを紹介してあげるのもいいでしょう。訪問看護の導入に迷っているケアマネには重宝されるでしょう。

出典:訪問看護必要性アセスメントシートの一般化可能性および活用可能性の検討.田口敦子ら.日本医療・病院管理学会誌(67).2015

3-2. 訪問看護利用者を対象とした必須アセスメントシート

看護過程に用いられる理論としては、ヘンダーソン、ゴードン、ICFなどがありますが、訪問看護のアセスメント指標は未だ開発されていません。

海外の動向を見れば、訪問看護の質を評価するようなアセスメントシートが多数存在していますが、日本における訪問看護システムと異なるため利用が難しいとされています。

そこで、日本で利用できる訪問看護アセスメント指標の開発を目的とする研究事業があります。こちらで作成された「訪問看護利用者を対象とした必須アセスメントシート」がありますのでご紹介します。

出典:訪問時に利用者を対象としたアセスメントツール開発を目指して-在宅看護分野における必須アセスメント指標の開発-

こちらのアセスメントシートは、「訪問時に利用者を対象としたアセスメントツール開発を目指して-在宅看護分野における必須アセスメント指標の開発-」に添付されているものです。

アセスメントシートを使った事例も紹介されていますので、ぜひ一度目を通していただくと有効に活用することができると思います。

また、アセスメントシートを使用する際は、研究代表者に連絡してほしいと注意書きがされています。今後の改訂の参考にするため意見や感想を頂くためです。

メールでも可となっていますので、以下の連絡先へ一方をいれてから使用しましょう。

代表研究者:上田泉

所属機関:札幌医科大学保険医療学部看護学科

連絡先:iueda@sapmed.ac.jp

4. 訪問看護を効率化するアセスメントツール

日本では2010年からIT化システムを活用した訪問看護アセスメントツールの開発研究がされています。

実際に訪問看護の現場に導入されているケースもあり、タブレットなどとの併用によってアセスメントを効果的・効率的に行なっているステーションもあります。

具体的には次のようなツールがありますので参考にしてください。

4-1. 看護のアイちゃん

看護のアイちゃんは、訪問看護記録や報告書作成の支援(電子カルテのようなもの)と、フィジカルアセスメント支援がセットになったシステムです。

パソコンを立ち上げると、フィジカルアセスメントに関する項目が順番に表示されますので、画面に沿ってアセスメント結果を入力していく形となります。

そのアセスメント内容についても、名古屋大学大学院の山内豊明教授も開発に参加されているため、信頼できる内容とされています。

タブレットと併用することで、訪問の現場にいながら看護のアイちゃんに沿ってアセスメントを進めたり、バイタルの記録なども行うことが可能です。

詳しくは、看護のアイちゃんのホームページをご覧ください。導入を検討される方は、デモ機による実演を診ることもできます。

5. 訪問看護のアセスメントまとめ

訪問看護の需要が高まり、今後はその「質」が求められる時代になります。そこで重要になるのがアセスメントです。

でも、これが苦手で困っている方やステーションで統一したアセスメント方法を探している方も多くいらっしゃいます。

現在はアセスメントツールの開発研究もされており、各訪問看護ステーションでも独自のツールを開発していることもあります。

今回は、アセスメントシートやITを利用したツールをご紹介しましたので、ぜひ有効活用してアセスメントに役立ててください。

そして、今後も質の高い訪問看護を提供していきましょう。