怖くない!訪問看護の急変時の対応とは?

訪問看護で一番不安に感じることは「急変」です。特にこれから訪問看護師として働いてみたいと考えている方や、新人の方は悩まされていると思います。

確かに近年は、高齢でも一人で在宅生活をされている方も増えましたし、医療依存度の高い方が訪問看護を利用するケースも多くなりました。

  • 一人で訪問中に急変されたらどうしよう
  • 急変時に一人で対応できるんだろうか

こうした不安を感じるのは当然だと思います。

ただ、不安がぬぐいきれないせいで訪問看護師への道を諦めたり、続けられなくなるのは本意ではないと思います。

実は、よく言われる「訪問看護師一人の責任」だというのは間違いだと考えています。今回お伝えする急変時に取るべき対応や安心して訪問できる対策について理解すればその理由がよくわかり、不安が解消できると思います。

さらに、「急変」はご利用者さま、ご家族様も同じように不安を感じています。だからこそ訪問看護が必要とされている理由についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

1. 訪問看護の急変時対応は一人で行うものなのか?

訪問看護について、

  • 一人で訪問するから大変
  • 一人で判断しなければならないから責任重大
  • 一人で急変時にも対応するための高いスキルが必要

このようなことがよく言われます。

「一人で」と強調されるのは、病院看護との大きな違いだからと思います。でも、果たして本当に全てを一人で背負い込まなくてはならないのでしょうか?そして、高いスキルを持っている人にしか訪問看護師はできないのでしょか?

答えは「NO」だと考えています。その理由について順番にお伝えしていきます。

2. 訪問看護の急変時対応マニュアル

まず、病院でも同じですが急変時対応マニュアルが各訪問看護ステーションに用意されています。

  • 訪問中にご利用者さまが急変した時の手順
  • 訪問時ではない時にご利用者さまからの緊急コールへの対応手順

こうしたマニュアルが用意されています。

特に、これから訪問看護師を目指そうと考えている方が就職先を探すときには、急変時マニュアルがあるのか、そして具体的な対応事例などを事前に確認しておくといいでしょう。

さらに、こうしたマニュアルを元に新人研修が行われているのかもチェックしてください。マニュアルだけあっても機能していなければ意味がないことは言うまでもありません。ご利用者さまの安全だけではなく、スタッフの安全も考えている訪問看護ステーションを選びましょう。

また、新人の訪問看護師の場合には、改めてマニュアルや対策について確認するようにしましょう。

3. 訪問看護の急変時もチームワークで対応する

訪問看護は「一人で訪問する」のは事実ですが、「一人で全ての責任を背負う」というのは正しくありません。その理由を具体的にお伝えします。

もちろん、急変があっても落ち着いて対応できるように、トレーニングや勉強をしておく必要はあります。勤務場所に限らず、看護師として急変時対応のスキルは欠かせません。ただし、実際の急変時にはパニックになってしまうこともあります。これは、病院の看護でも同じでしょう。

そんな時のためにも、訪問看護師は携帯電話などの連絡手段を持っています。そして、異常を感じたら管理者や他のスタッフに相談したり、万が一の時でも主治医などへ連絡して指示を仰ぐことができます。場合によっては救急要請をすることもあります。

病院の緊急時対応と比べれば、数分で他の職員や医師が駆けつけることができないのは確かです。でも、「一人で訪問する」ことは「全ての責任を背負う」ことではないということを理解していただければと思います。

そうした意味でも、緊急時の対応については、これから就職先を探す場合には必須のチェック項目になるでしょう。

4. 急変時の対応方法を事前に決められている

訪問看護の利用が開始される時や疾病の憎悪、症状の悪化などがあった場合には、適宜、担当者会議が開かれます。担当者会議とは、主治医(訪問医)、ケアマネージャー、訪問看護、訪問介護などのサービスを担当する職種が集まる会議のことです。

この中では、急変時の対応についても検討されます。これも入院患者さまと同じではないでしょうか。DNRの意思確認などがあると思います。訪問看護の役割の一つとして「看取り」がありますが、この場合には急変時の対応の取り決めは重要になります。

もちろん「看取り」の場合だけではありません。最近は医療依存度の高いご利用者さまが増えていますので、事前に急変リスクが高いと判断されれば、事前に急変時対応についても話し合われ、決定されています。

具体的な急変時対応が分かっていれば、落ち着いて行動できるのではないでしょうか。このような点も含めて、一人で全てのことに対応できるスキルがなければ訪問看護師になれないというのは間違いだとわかると思います。

もちろん、スキルがなくてもいいと言うわけではありません。ただ、初めからスキルのある人はいませんので、新人教育がしっかりされている就職先を探すのもポイントになるでしょう。

5. ご利用者さま、ご家族さまも「急変」が不安。だから訪問看護を利用する

また、ご利用者さま、ご家族さまは看護師以上に「急変」に対して恐怖を感じています。

  • 急変したらどうすればいいんだろう
  • 急変しても家族では対応することができない
  • 家族が不在のときに急変するんじゃないか
  • 急変するリスクがあるのに在宅で生活ができるんだろうか
  • この先も急変に怯えて生活するんだろうか

不安というのはいつの間にか大きく膨れ上がってしまい、実際には起きそうにもないことをひどく怖がってしまうこともあります。病気を抱えたご利用者さま、ご家族さまならなおさらです。

しかし、だからこそ訪問看護が必要とされているのです。「看護師が訪問する」ことがどれだけ安心を与えられるかは実際に働いてみるとよくわかります。

確かにそれだけの責任があるのは事実です。でも、そこにやりがいがあることが訪問看護の魅力でもあるのではないでしょうか。

6. 急変時の対応が怖くて訪問看護師を諦める必要はない!

訪問看護師を目指すときに、「一人で訪問すること」が原因で躊躇されることがよくあります。特に、もし「急変」があったらどうしようと不安に感じるのではないでしょうか。

確かに、病院とは違ってご利用者さまのお宅に看護師が一人で訪問します。ただ、「一人で全ての責任を負う」わけではありません。

異常を感じたときには、すぐに携帯電話で管理者や他のスタッフに相談することもできますし、万が一急変したときには主治医に連絡をして指示をあおいだり、救急搬送することもあります。

また、急変リスクの高いご利用者さまの場合には、事前に急変時の対応が決められていることもあります。一人で対応するにしても、事前にシミュレーションできていれば、落ち着いて行動できるでしょう。

このような理由から、急変が怖いという理由で訪問看護師を諦めては欲しくないと思います。急変時マニュアルや急変時に対応できる人員配置、地域連携がしっかりとれている就職先を探すことで不安を軽減することができます。さらに、急変時へ対応するスキルも磨くことができるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、不安が少しでも軽減できていれば幸いです。