緩和ケア拠点病院以外の病院の役割

チームアプローチという言葉が当たり前になりましたが、医療はどうしても専門化しやすいものです。

例えば、最新のがん治療なら○○病院、腰痛の手術のスペシャリストなら〇〇先生などのように、一箇所に集中しやすい特徴があります。

また、最近はどんどん診療科が細分化されています。同じ病院に受診しているのに、あっちに行ったりこっちに行ったり、はたまた別の日に違うかを受診しなくてはならなかったりします。

こうした専門化は、ある意味では安心できます。その道のスペシャリストだからです。ただ、緩和ケアや看取り、地域医療はその人の人生そのものに関わるものです。

つまり、全人的に、包括的にみていかなくてはなりません。専門性と包括性という相反するものを同時に共存させなくてはならないのです。

もしかしたら、これがチーム医療の難しさなのかもしれません。

では、緩和ケアにおける拠点病院とその他の病院との関わりはどのようになっているのでしょうか。

・拠点病院以外でがん治療を行なっている患者は4割
・がん患者の3/4は、拠点病院以外の場所で看取られている

つまり、がん専門の病院以外でがん治療を行なっている患者さまがたくさんいるということです。

しかし、こうした病院には次のような課題があります。

・拠点病院以外の緩和ケアの状況の把握ができていない
・一般病院の約87%に緩和ケアチームがない
・専門的な人員がいないために、十分な緩和ケアが提供できない

こうしてみると、緩和ケアが受けられるのは、ごく一部の患者さんだけだということがわかります。

これは、専門化の弊害かもしれません。内科に受診した時に、膝痛もあるから医師に相談したら、整形外科を受診してくださいと言われるのと同じだと思います。

訪問看護が周知されないのも、「医療は病院で行う」という考えが根強く残っているからだと思います。

ただ、専門化しているからこそ、高度に医療が進歩しているとも言えるため、この課題に対する解決策は、非常に難しいことが予測できます。

では、実際にこのような問題に対して、どう対処していくのでしょうか。

拠点病院以外の緩和ケアに対する方向性について、次回確認していこうと思います。