緩和ケアの提供体制の課題と方向性

緩和ケア病棟が増えていることは前回お伝えした通りですが、果たしてそれが機能しているのかどうかが重要なポイントです。

こうした提供体制について、厚生労働省の資料から次のようなことがわかります。

・患者や家族の心情に配慮した支援体制が不十分
・ハード面、ソフト面を整えているが、活用できていない。
・若年者に対する社会的問題(生活設計、生活費、医療費など)に対応できていない
・実施された緩和ケアを評価する基準がない

緩和ケア病棟を設置したり、専門チームを作っているところが増えていますが、実際には十分に機能していないところもあることがわかります。

また、看取りと同じように、精神的な問題や家族関係などの支援が難しいこともわかります。なぜなら、そうした緩和ケアの質を評価する基準がないからです。

「死」と向き合う緩和ケアは、定量的な数値だけで判断することが難しいということです。

このような課題を踏まえて、今後の方向性としては、次のように考えられています。

・全ての医療従事者との連携をとる
・診断時点で迅速に専門家へつなぐ
・相談窓口に来訪するように積極的にアプローチ
・セカンドオピニオンの周知
・社会的な支援の標準化
・緩和ケアの質を評価する指標の作成

緩和ケア病棟や人員配置をしても、それがうまく機能していないことを受けて、どのように緩和ケアへとつないでいくのかということが中心となっています。

ただ、3つ目の「相談窓口に来訪するように積極的にアプローチ」というのには、少し疑問も感じてしまいます。

ガンと診断された患者さんや家族は、当然戸惑っています。そんな方に対して、「相談窓口があるから行ってください」というだけでは不安や恐怖で足を運ぶことができないと思うからです。

そこへ行ったらどうなるんだろう、何をされるんだろう、根掘り葉掘りプライベートなことまで聞かれるんじゃないだろうか、、、

とにかく不安だと思います。

医療や介護は、どうしても受け身になってしまいます。患者がきたら診察をする、介護が必要と言われたら介入するからです。

でも、緩和ケアや看取りについては、知っているけど不安で行動できない方が多いと思います。そんな時は、待っているだけではなくて、こちらから声をかけることが大切ではないでしょうか。

どちらにしても、宝の持ち腐れにならないように、まずは緩和ケアというものを、正しく周知していくことがポイントのようです。