ALSと在宅医療、訪問看護の必要性

近年、在宅医療や訪問看護の利用者さまは、医療依存度の高い方が増えています。その一つが、在宅での人工呼吸器管理です。
 
人工呼吸器が必要となる疾患の一つに、ALS(筋萎縮性側索硬化症)があります。
 
在宅での人工呼吸器管理は、患者様ご本人はもちろんですが、ご家族様へも十分な説明が必要です。そして、どんな効果があるのかも正しく伝えなくてはなりません。
 
そこで、こんなエビデンスがあります。

ALS 患者に対して,非侵襲的人工呼吸管理(NPPV)は,生存期間延長や QOL 改善をも たらす(レベルII).また,気管切開による人工呼吸管理も生存期間延長をもたらす が(レベルIVa),介護負担は非常に高くなる(レベルIVb)
引用:在宅医療に関するエビデンス:系統的レビュー

人工呼吸器を使用することは、生存期間だけでなく、QOLも改善することがわかっています。(NPPVの場合)
 
ただ、ここで問題になってくることは、呼吸器の管理を誰がするのかということです。もちろん、ご家族様の協力が必要です。しかし、機械の管理はできても体調の管理まではわからないですよね。
 
また、ご家族様が高齢だったりすると、機械の管理も難しくなることがあります。
 
つまり、人工呼吸器という「手段」を使うことのエビデンスは証明されているのですが、それをどうやって「利用」するのかという部分にも注意しなくてはならないということです。
 
そこで、必要になるのが在宅医療や訪問看護の存在です。
 
患者様ご本人やご家族様は、人工呼吸器というものを知っていたとしても、それを在宅で使うことができるのか、途中で何か問題は起きないのか、急変したらどうしようなどと不安がいっぱいです。
 
そもそも、在宅で人工呼吸器が使えるなんて思っても見なかったという方もいらっしゃると思います。
 
エビデンスを生かすためには、それをどうやって使うのかが大切になりますね。
 
人工呼吸器を使うことによる効果を説明しながら、患者様、ご家族様の不安も解消できるような対応が必要になります。
 
エビデンスは科学です。ですが、そのエビデンスを使うのは人だということは忘れてはいけませんね。