在宅で過ごす脳卒中患者さんのQOLに影響することとは

QOLとはquality of lifeの略で、「生活の質」ということです。
 
わかりやすく言えば、その人が望む人生を送ることができているかどうかということです。もしくは、自分の生活や人生への満足度だと思います。
 
では、在宅で生活している脳卒中患者さんにおけるQOLはどのようになっているのでしょうか。

宅脳卒中患者において,身体的レベルよりも聴覚・視覚などの感覚器の衰えが QOL に強く影響する.また,ADL 自立度や失禁,排せつなど介護負担度に影響する項目が QOL に強く影響する.さらに,介護者の職業や,健康,疲労感などが大きく影響を与 える(レベルIVb)
引用:在宅医療に関するエビデンス:系統的レビュー

脳卒中の後遺症としては、運動麻痺による歩行障害などが目立ちます。移動ができなくなればADLが低下します。1人でトイレへ行くことも、買い物に出かけることもできないかもしれません。
 
こうした歩行能力の低下は、生活の質を大きく低下させてしまいます。しかし、実際には、こうした運動機能よりも、聴覚や視覚の障害の方が、QOLに強く影響するというのです。
 
やはり、人は1人では生きて行くことができません。介護が必要な状態になればなおさらです。自分以外の誰かと生活するためには、やはりコミュニケーション能力が必要になります。
 
そう考えた場合、聴覚や視覚の障害は、コミュニケーション能力を低下させる原因にもなります。
 
また、失禁や排泄の介助というのも、その人の尊厳に関わるような問題です。当然QOLの低下に影響します。
 
こうしてみると、身体的な障害など、外面的な問題よりも、精神的な内面の問題が、在宅生活におけるポイントだとわかります。
 
外面的な問題だけを見ていると、内面的な問題に気づく事ができません。その結果、医療や看護を患者・家族に押し付けるようなことになりかねません。
 
在宅医療、訪問看護においては、こうした精神的なケアが重要だということです。
 
特に、脳卒中患者さんには、そうした傾向が強いことが今回のエビデンスからわかります。
 
これから、ご利用者様、ご家族様とどのように接していけばいいのか。一度考えてみるといいですね。