認知症高齢者に対して、訪問看護の効果はあるのか?

訪問看護のサービスの一つに、「認知症ケア」「認知症者の看護」がります。これは、全国訪問看護事業協会日本訪問看護財団のホームページや愛知県看護協会が出している「訪問看護の活用の仕方」にも明記されています。
 
こうした認知症に対するエビデンスには、次のようなものがあります。

在宅医療の方が一般入院に比べ,認知症の行動障害は少なく,抗精神病薬の使用も尐 ない(レベルⅡ)
引用:在宅医療に関するエビデンス:系統的レビュー

レベルⅡとなっているので、その信頼性も高くなっています。
 
認知症の症状は環境によって変化することは、病院に勤務している看護師さんも日々経験していると思います。入院した途端に、認知症の症状が進行したり悪化したりしますよね。
 
実際の研究では、急性疾患に対して、救急車で運ばれ入院した方と、在宅医療で対応した方を比較すると、在宅医療が行われた方の方が、睡眠障害、攻撃性、摂食障害などが優位に少なかったと報告されています。
 
入院によって認知症の症状が悪化するようなことが、在宅医療を選択した場合には見られない(少ない)ということです。
 
そのため、向精神薬の使用も優位に少なくなっています。
 
やはり、高齢者や認知症の方にとっては、環境の変化が症状に与える影響は強いということですね。
 
(ただし、この研究では、在宅医療を選択された方も、病院と同じように高度な医療が提供された結果ですので注意してくださいね。)
 
病院の治療で急性症状は改善したとしても、入院によって認知症が悪化すれば、在宅生活が困難になることもあります。
 
そうなれば、以前の介護や環境では生活することができないので、訪問看護の回数や介護サービスを増やしたり、施設への入所なども考えなくては行けないかもしれません。
 
家族の負担や、医療費の負担も増えるでしょう。
 
こうしたことを考えると、突然の入院や治療が必要とならないような日々のケアの重要性がわかりますね。
 
エビデンスはその内容をしっかりと見ておくことが大切です。単純に「認知症の方にとっては、入院よりも在宅の方が良い」という訳では無いので注意してくださいね。
 
環境やストレスによって症状が悪化してしまうので、それを防ぐための日々のケアが重要だということです。
 
認知症の方をケアする際には、頭の片隅に入れておいてくださいね。