脳科学を地域医療や訪問看護に生かす方法!?

From:名古屋市緑区 つなげる訪問看護ステーションより
 
前回お伝えしたように、少しの知識とアイデアがあれば、地域医療や訪問看護にできることが大きく増えます。
 
例えば、脳科学も面白いです。今までの見方が変わることもありますし、新たな気づきを得る機会にもなります。
 
例えば、ミラーニューロンというものを知っているでしょうか。これは、1996年にパルマ大学のジャコモ・リッツォラッティらによって発見された、脳の神経細胞のことです。
 
例えば、ドラマや映画を見ている時に、自分がその主人公と同じような気持ちになって、喜んだり、怒ったり、涙したりしたことが1度はあると思います。
 
全く赤の他人ですし、内容はフィクションかもしれません。それなのに、まるで自分がその主人公のような気持ちになるのはなぜでしょうか?
 
その一つとして、ミラーニューロンの関与が考えられています。つまり、ミラーニューロンとは、目で見た行動を、あたかも自分がしているように感じる脳神経の細胞のことです。
 
もう少し具体的にいうと、あなたの前に、スマホを一生懸命に操作している人がいたとします。あなたは、1mmも手を動かしていないでただ見ているだけです。その時に、あなたの脳の中はどうなっているでしょうか?
 
実は、あなたがスマホを動かした時に活動する脳神経が活動しているのです。見ているだけなのに、その見ている人と同じ行動をするための脳神経細胞が働いているということです。
 
見ているだけなのに、手を動かしている時と同じように、脳が働いているなんて、これはすごい発見ですよね。
 
もう少し簡単に言えば、人は周りにいる人に影響されるということです。周りの人がネガティブな言動を取れば、それを見ているだけであなたの脳もネガティブになります。当然その逆もあります。
 
「もうだめだ」
「生きていても意味がない」
「どうせそんなことできない」
「早く死にたい」
「生きていても迷惑なだけ」
 
毎日そんな言葉や行動を見ていたらどうなるでしょうか。ドラマや映画を見た時と同じように、あなた自身も同じような悲観的な気持ちや行動をとることになってしまうんです。
 
これを地域医療や訪問看護に置き換えて見るとどうでしょうか。ご利用者様はあなたを見ています。そして、その見たことが、ご利用者様にも影響します。
 
あなたがネガティブなことや否定的なことばかり言っていれば、それがご利用者様に伝わってしまいます。
 
逆に、前向きな言動をとっていれば、それにつられてご利用者様の脳活動も変わって来る可能性があるということです。
 
あなたの「態度一つで」です。
 
いつも、あれもだめ、これもダメ、そんなことは許可できないと言われていたご利用者様に対して、突然、「これならOK」と言ってもダメだということです。
 
そうではなくて、
 
「あれは今はできないかもしれないけど、こうして見たらできるかもしれませんね」
「1人で歩いて転んでしまって怖かったですね。同じことを繰り返さないためには、○○するといいですよ」
「それを許可するためには、○○や□□が必要ですね。そんためには、まず△△から始めて見ませんか?」
 
ちょっとした言葉の使い方で、それを聞いたり見ているご利用者様の脳は変化します。
 
ミラーニューロンなんていう言葉は聞きなれないかもしれませんが、今回を機に、少し興味を持っていただけると嬉しいです。