地域医療と高齢者が抱える不安

From:名古屋市緑区 つなげる訪問看護ステーションより

病院に行けなくなったらどうしようと考えたことはありますか?おそらく無い方が多いと思います。病院で働く人にとってはなおさらだと思いますが、病院があるのが当たり前です。そして、いつでも受診できるからそ病院です。

みんな病院が“ある”から安心して生活できます。そして、“いつでも”受診できるから守られていると感じています。

でも、地域に暮らす高齢者やその家族は違います。当たり前が当たり前ではなくなっているんです。

例えば、お互い90歳を超えた夫婦が、二人暮らしをしていることがあります。この方たちにとっては、病院を受診することは簡単ではありません。

足腰が弱くなり、病院までの移動が困難な方もいます。一方が元気なら、もう一方の方を車椅子で介助するとも考えられますが、お互い90歳を超えていればそうはいきません。

老々介護という言葉がありますが、そんなレベルではありません。お互いが助け合ってなんとか最低限の生活を送っている方がいらっしゃいます。

もしかしたら、近くに住む子供に頼むという手段もあるかもしれません。ですが、その子供たちも70歳近い年齢になっています。腰や膝が痛かったり、病気があるかもしれません。

最近は、介護タクシーを使うこともできます。ただ、費用がかかります。経済的に余裕がなければ、その出費は大きな負担です。

とにかく、こうした現実があります。病院を受診できることは当たり前では無いのです。

なんだかこんな話をしていると、暗い将来しか待っていないように感じてしまいますね。この先、寿命は100歳を超えるとも言われていますし。

でも、そんなマイナスな話をしたいわけではありません。

こうした問題を解決する方法もあります。それが、往診や訪問診療です。そして、訪問看護や地域医療を支える人々がいます。

今日も、実際にこのような超高齢夫婦の自宅で、ケアマネさんと遠方に暮らす子供さんが相談していました。

その時の会話はこんな感じです。

子供:病院に行くたびに、私が駆けつけるのも正直大変なんです。この先が不安です。

ケアマネ:最近は、往診をしてくれる先生が増えているんですよ。

子供:病院じゃなくても大丈夫なんでしょうか?

ケアマネ:もちろん、病院でできること全てが在宅でできるわけではないです。ただ、往診の先生に日々の体調や健康管理をしてもらっていれば、必要な時にはすぐに病院と連携して対応することができますよ。

子供:確かに、今は特別な治療を受けているわけじゃないですもんね。定期的な受診が負担になっているので。。ケアマネ:やっぱり病院は安心ですよね。ただ、私たちのチームが〇〇さんを支えることができます。病院受診以外にも不安なことがたくさんありますよね。そうした不安も一緒に解決していきましょう。

子供:そうですね。今も皆さんに助けてもらっていますし、私たちではわからないことがたくさんあるので、心強いです。

こんな感じの会話でした。やっぱり、みなさん在宅生活に不安を感じながら生活されていらっしゃるんですね。

でも、その不安を解決する方法を一緒に探して行くと、初めはうつむき加減だったご家族さまも、最後は笑顔になっていました。

そして、この会話の中で、ケアマネさんが言っていた「チームが支える」という言葉はとても印象深かく残っています。

チームが1つになることが、今の在宅医療を安心できるものに変えていくために、最も必要なものなのかもしれません。

看護師や医師が足りない、制度が整備されていない、こうした問題はありますが、それを言い訳にはしていられませんね。

将来のことも考えながら、どうすればこうした現状でも、目の前の方を救うことができるのか考えることが重要ですね。