なぜパーキンソン病で歩行障害があるのに、医者のいない離島に暮らし訪問診療・訪問看護を利用するのか?

From:名古屋市緑区 つなげる訪問看護ステーションより

「わしの人生1回しかない。好きなことをしたい」

この言葉、一見するとわがままに聞こえるかもしれませんが、そこには覚悟があります。

広島の離島に住む70代の高齢の方がいます。

この方は、パーキンソン病や脳梗塞、前立腺がんを患っています。何度か本土で入退院を繰り返したこともあります。

パーキンソン病と脳梗塞の麻痺が重なり、歩行障害も出て、なんども転ぶようになりました。

そんな状態でも、医師が1人もいない離島に住むことを望まれました。

これを聞いて、どう感じるでしょうか。

医者もいない、病院もない離島で、難病を抱えながら生活するなんて不安で考えられないのではないでしょうか。

多くの方は、医者も病院もある本土への移住を考えると思います。

でもこの方は違いました。

あくまで離島で暮らすことを希望されました。そこで、この希望をかなええるため、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリがスタートしたと言います。

なぜこの方は、訪問看護などを利用してでも離島で暮らすことをのぞんだのでしょうか?

その理由は、

「わしの人生1回しかない。好きなことをしたい」

でした。

これを聞いた時、正直驚きました。

最近は、セカンドオピニオンが当たり前になっています。とにかく少しでもいい治療、いい医者を見つけて病気を治したいと誰もが思っているのです。

でもこの方は、治療よりも、自分の人生を自分の好きなように生きることを選んだんです。

「すごい」の一言につきます。

病気になっても、自分の人生を生きるという大きな目標がブレることはなかったんです。

さらにすごいのは、こうした希望を支えているのが、訪問診療であり訪問看護、訪問リハビリです。

パーキンソン病という難病や脳梗塞を繰り返したり、何度も転倒していることを考えれば、いくら目標がブレないと言っても、安心して生活することはできないと思います。

島に帰ってみたけど、結局、生活できずに本土に移住した。ということになるかもしれません。

そうした状況を打開しているのが、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリなんです。

私たちの暮らす愛知県では、同じような状況にはないかもしれません。全く同じことは当てはまらないでしょう。

ただ、ここで注目したいのは、

「わしの人生1回しかない。好きなことをしたい」

この思いを支えているということです。

病気だからとか障害があるからではなく、この思いを叶えたり、支えるために私たちのような地域医療に関わる人々がいるんだと、再認識することができました。

地域医療に関わる方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

→「自分の人生を生きる」