在宅医療で重要なADLやIADLの本当の意味を知っていますか?

From:名古屋市緑区 つなげる訪問看護ステーションより

前回作業療法士の役割として、次の5つをご紹介しました。

・ADL/IADL
・就労、職業
・住環境
・発達障害
・高次脳機能障害

この中でも、ADLやIADLという言葉はよく聞くことがあるのではないでしょうか。ただ、あまり詳しくはご存知ないかもしれません。

医療や看護の場面では、英語がたくさん出てきますよね。略語もたくさんあります。日常的にも当たり前のように使っています。

ただ、こうした言葉の問題点があります。それは、なんとなく理解しているつもりになってしまうことです。

言葉の意味や本質を理解して使わないと、間違った行動や相手に不安を抱かせてしまう原因にもなります。

では、ADLやIADLとは一体どんな意味を持つ言葉なのでしょうか。

まずADL(エーディーエル)とは、activities of daily livingの頭文字をとって略したものです。日本語にすると、日常生活動作と訳されます。

つまり、日常生活を送る上で必要な動作のことです。この場合の日常生活とは、主に食事、整容、清拭、更衣、トイレ動作、排泄管理、移動、移乗、歩行、階段昇降のことを表すことが多いです。

これらの日常的な活動を行う上で必要な動作のことをADLと言います。

一方でIADL(アイエーディーエル)とは、instrumental activities of daily livingの頭文字をとった略語です。日本語にすると、手段的日常生活動作となります。

これは、電話、買い物、食事の準備、家事、洗濯、外出、服薬管理、金銭管理などの能力のことを言います。

とってもややこしいですよね。言葉の難しさを感じます。ただ、これらをしっかりと理解することは、在宅医療では特に重要になってきます。その理由は、これから詳しくお伝えしていくのですが、ここまでをシンプルにまとめると、

・ADLは日常的な“動作”に焦点を当てている
・IADLは動作の“遂行能力”に焦点を当てている

このように言えると思います。

例えば、脳梗塞の後遺症で片麻痺が生じた方がいたとします。この方は、麻痺のせいで歩行することができませんでした。

しかし、懸命なリハビリの結果、杖を使って30m歩けるようになりました。

この場合、患者様のADLの一部である歩行という動作は劇的に改善しました。ただ、ここで問題があります。それは、30mの歩行では歩いて外出することができないということです。

つまり、外出という事を考えた場合には、その目的を果たす能力には至らないということです。歩行という動作自体は改善したけど、それによって外出という目的は果たすことができていないのです。

ADLは改善したけど、IADLは変わらないということです。

極端に言えば、「手術は成功した、でもこの先寝たきりです」と言われるようなものです。

この、ADLとIADLという考えは、在宅医療、地域医療にとっては重要です。ここまでで、ピンときた方もいらっしゃると思いますが、まだ、腑に落ちない方もいると思います。

なので、次回はもう少し掘り下げてお伝えしようと思います。

リハビリの話にはあまり興味がないという看護師さんもいるかもしれません。でも、この概念を忘れてしまうと、患者様からのクレームや信頼関係を壊す原因にもなりかねません。

これは、在宅医療や訪問看護だけでなく、病院の看護師さんでも同じです。ぜひ、次回の記事を確認してくださいね。

それでは本日も最後までご覧いただきまして、本当にありがとうございました。